入院から出院まで

少年が入院してから出院するまでの流れをご紹介します

少年院の処遇は、少年の在院期間を通して一律に行われるのではなく、処遇に段階を設けて、それぞれの段階にふさわしい目標、内容、方法が設定されます。処遇の段階は、3級、2級、1級の3つに区分されており、入院した直後は3級に編入され、成績の評価に応じて次の段階に進むことができます。

また、少年院に入院すると、少年1人1人の特性及び教育上の必要性に応じ、「個人別矯正教育計画」を作成し、この計画に基づき、きめ細かな教育が行われます。

入院、3級(自己の問題改善への意欲の喚起を図る指導)、2級(問題改善への具体的指導)、1級(社会生活への円滑な移行を図る指導)、出院

入院

※登場する少年は、実際の在院者ではありません。

3級

自己の問題改善への意欲の喚起を図る指導

新入時教育

3級では、自己の問題改善への意欲の喚起を図る指導として、オリエンテーション、面接、集団行動訓練などが行われます。

2級

問題改善への具体的指導

矯正教育

2級に進級すると、少年が抱える問題の改善に向けて、より具体的な指導が行われます。
矯正教育には、生活指導、職業指導、教科指導、体育指導、特別活動指導の5つの分野があり、少年の特性に応じてこれらの指導を適切に組み合わせて実施しています。

寮内での生活

生活の基盤となる寮では、基本的な生活習慣、適切な対人関係の持ち方などを身に付けることを目的とした指導、規範意識や、自律的な生活態度を身に付けるため、少年が自分たちの問題点などについて話し合い、お互いに助言し合う集会指導、自主性や責任感を育むことを目的とした役割活動などが行われます。

1級

社会生活への円滑な移行を図る指導

進級式

進級式で名前が呼ばれ、処遇の最高段階である1級に進級しました。
1級では、社会生活への円滑な移行を図る指導が行われ、職場体験や社会貢献活動など、少年院の外での活動も行われます。

関係機関とのケース検討会

少年院在院中から少年院の職員のみでなく、保護観察所、医療機関、福祉機関などの関係機関や、保護者、雇用主などの協力を得るなどして、処遇の状況や課題、出院後を見据えた社会資源の調整等について協議を行っています。

仮退院

仮退院する当日は、仮退院式が行われます。再出発に当たっての決意を胸に、職員に見送られながら、社会への新たな一歩を踏み出します。

出院者等からの相談対応

少年院を出院した後も、少年は、様々な問題に直面し、社会で相談できる人もいないまま、再び非行に及ぶこともあります。

このようなことを未然に防ぐことなどを目的として、少年院の職員は、出院者やその保護者、雇用主などからの相談に応じています。
また、少年が少年院を出院した後も、健全に社会生活を送ることができるよう、保護観察所が開催する会議に参加するなど、関係機関とも連携しています。