少年院の一日
※登場する少年は、実際の在院者ではありません。
起床
少年たちの起床時間です。前日から当直をしている職員は、
朝の挨拶を交わしながら、少年たちの表情や体調なども確認します。
出勤、職員朝礼
職員の多くは、朝の8時30分の勤務開始時間にあわせて出勤します。
職員朝礼には、庶務課、教育・支援部門など、色々な部署の職員が出席し、前日の少年の様子や、当日の予定などについて、それぞれ担当者が報告し、職員の間で情報が共有されます。
出寮、少年朝礼
少年達は起床後に、生活している寮から、朝礼が行われる中庭や体育館などに移動します。
少年朝礼では、それぞれの寮から集まった少年たちが、院長に対して挨拶をします。
少年院では、日中、少年の特性に応じたさまざまな教育活動が行われていますが、朝礼のあと、少年たちは、それぞれの教育活動が行われる場所に移動します。
体育指導
体育指導は、少年たちが社会の一員として自立した生活を営むための基礎となる健全な心身を育てるために行われており、少年たちの身体的な能力の向上だけではなく、集中力や忍耐力などの精神力を養うこと、集団競技を通じた協調性の向上なども目的としています。
体育指導で行われる種目は、バレーボールやサッカーなどの球技のほか、筋力トレーニングや陸上競技などがあります。指導する職員も、少年たちと一緒に競技に取り組みます。
特定生活指導
特定生活指導とは、特定の事情や問題性があることにより、改善更生や円滑な社会復帰に支障があると認められる少年に対して、その改善に向けて実施されるプログラムです。特定生活指導には、薬物非行防止指導のほか、性非行防止指導、暴力防止指導など、全部で7種類あります。
昼食
職業指導
少年院を出院した後、すぐに仕事に就く少年も多いため、少年の勤労意欲の向上を図り、職業上役に立つ知識や技能を身に付けるための指導が行われています。
職業指導の種目は少年院ごとに異なり、製品企画科のほか、総合建設科、ICT技術科など、様々なコースがあります。
また、職業指導では、コンピュータサービス技能評価試験、小型車両系建設機械運転特別教育、ガス溶接技能講習、介護職員初任者研修などの資格取得も目指します。
面会
保護者や親族などとの面会は、少年が、出院後の生活などについて相談することができる貴重な機会です。
少年が自分の意思をうまく伝えられるよう、職員は、事前の指導などにより、少年と面会者との心情の交流が円滑に進むよう配慮しています。
個別面接
個別面接では、非行に関する意識や行動面の問題、家族等との関係、出院後の生活設計などについて、個別面接を実施し、少年とともに考えながら、助言・指導を行います。
夕食
日記指導
少年は、毎晩、一日を振り返り、日記を書きます。
当直の職員は、提出された日記の内容を丁寧に確認し、必要に応じて指導や激励のコメントを書いた上で、翌日、少年に返却します。
この毎日のやりとりによって、職員は、少年の細かな心情の変化を把握しています。
就寝、夜間の巡回
少年が就寝した後も、当直の職員は、少年の様子を確認するために、交代で巡回をします。
チーム処遇
少年の処遇はチームで行います。難しい課題に直面することもありますが、そんなときは、一人で抱え込まず、先輩職員、心理や福祉の専門職員などに相談しながら、一つ一つ問題を解決していきます。